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化学合成系ベースオイルの代表格<PAO>は誰が製造しているの?

皆さんこんにちは!「ケンドルラボ」担当・ケン太です。

「夏の甲子園」が始まりましたね。

今大会から5回終了後に10分間、選手たちが水分補給をしたり、身体を冷やしたりする「クーリングタイム」が導入されています。

「酷暑のドライブの途中、愛車にもクーリングタイムを」と思ったのですが、自分がしてあげられることは何もなく…暑くても頑張って走り続ける愛車に、心から感謝します。


さて、今回でちょうど50回目になるケンドルラボ。これまでで最も人気のある記事は、5回目の「合成油と化学合成油の違いと誤解を招く要因とは?」だそうです。

やはり、ご自身が使用中のエンジンオイル、あるいはこれから使用予定のエンジンオイルに「本物の化学合成油が使われているの?」といったことが気になる方が多いのだろうと思います。


そこで、今回のケンドルラボは「化学合成系ベースオイルの代表格<PAO>は誰が製造しているの?」というテーマで書いてみようと思います。

皆さんも業界の「ウラ話」に興味をお持ちではないでしょうか?

化学合成油原料の元は一体どこから来るのか、エンジンオイルの原材料としても使われるPAOは一体誰が作っているのか…それでは始めましょう。




覚えておこう!<PAO>は人工的に作り出された「合成系炭化水素」


潤滑油原料としての「PAO」とは、「Poly-α-Olefin(ポリアルファオレフィン)」の略称で、通称「パオ」と呼ばれています。

PAOとは、エチレンから作られるα-オレフィン(1-デセン)を原料とし、重合反応と水素化処理によって製造され、硫黄や窒素、芳香族などの不純物を一切含まない、化学合成油と定義されます。


難しい話はさて置き、以前のおさらいになりますが、成分は「鉱物油=石油系炭化水素」でありながら「合成油」と呼べるベースオイルと区別するためにも、「PAO」は人工的に作り出された「合成系炭化水素」であることをしっかり覚えておきましょう。



<PAO>の製造元と製造量は?日本でも<PAO>は製造されている?


では、PAO(ポリアルファオレフィン)は、一体誰が製造しているのでしょうか?

今日現在、製造キャパシティから考えると、世界NO.1のPAOサプライヤーはベルギーに1工場、アメリカに2工場を構える「Ineos(イネオス) Oligomers(オリゴマーズ)」です。

3つの工場で1年間に製造されるPAOの量は、ドラム缶換算で約178万缶に達します。


続いて2位は「ExxonMobil(エクソンモービル)Chemical」です。

フランスの1工場、アメリカの2工場で年間150万ドラム缶相当を製造しています。

そして3位はベルギーに1工場、アメリカに2工場を所有する「Chevron(シェブロン)Phillips(フィリップス)Chemical」で、その製造量は年間65万ドラム缶相当。

やはり、アメリカでのPAO製造は半端な量ではなく、依然として石油化学の中心地がアメリカにあることを再認識させられるデータです。


その他は大きくありませんが、カナダにある「Lanxess(ランクセス)」、中国の「Petro-China(ペトロチャイナ)」、ロシアの「Taif Group(ターイフ)」などが挙げられます。

ちなみに、「Kendall GT-1 EURO+ 5W30」や「Kendall SHP Heavy Duty ATF」のPAO供給元は、系列から考えて「Chevron Phillips Chemical」になるのだろうと個人的に想像しています(原材料のサプライヤーは原則非公開のため、本当のことはわかりません)。


最後に、私たちが知る限り、純粋なPAOを製造している日系企業はありません。

日本国内で原材料として流通しているPAOについては、すべて前述のいずれかのサプライヤーが製造するもので、「すべて輸入品」といって差し支えないでしょう。

 

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