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死亡事故の割合は38倍!夏休み前に知っておきたい「高速道路での逆走」

  • 執筆者の写真: Kendall Lab
    Kendall Lab
  • 3 日前
  • 読了時間: 6分

皆さんこんにちは!「ケンドルラボ」担当・ケン太です。 クルマの運転中に、大なり小なり「怖い思い」をしたことがあると思います。 急な飛び出し、無理な追い越し、煽り運転などなど、挙げていくとキリがないですね。 結果的に無事だったものの、長時間にわたってドキドキさせられたのは、高速道路を走行中に「逆走車あり注意」の表示を見たときです。 いつ来るのか?どんなクルマなのか?どのくらいのスピードなのか?どちらの車線なのか?どうやって避ければ良いのか?考えているだけで疲れました。


もうすぐ夏休み。 高速道路を利用する方も増えると思いますので、今回のケンドルラボは「高速道路での逆走」について取り上げてみます。


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高速道路での逆走は年々増えている?逆走が発生しやすいのはどんな場所?


ここ数年、高速道路での逆走の話題に触れることが増えているように感じるのですが、実際のところはどうなのでしょうか? 警察・国土交通省・高速道路会社によってまとめられたデータ(2011年~2023年)を確認したところ「急増している」という事実はなく、ほぼ横ばい。 平均すると1年間に200件ほど高速道路での逆走が発生しています。過去10年で最も多かったのは2015年の259件、最も少なかったのが2020年の148件でした。


もう少し詳しくデータを見てみると、2011年から2023年に発生した高速道路での逆走の件数は2,654件。 そのうちの約2割にあたる531件が「事故」につながっており、残りの約8割は「確保」となったそうです。 負傷・死亡に至る「重大事故」は減少傾向にあるものの、高速道路上での事故全体と逆走事故とを比較すると、逆走の場合は重大事故の割合が3倍に。 死亡事故だけを見ると38倍にもなるとのこと。やはり逆走は恐ろしいですね。


次に、恐ろしい逆走はどこで発生しているのでしょうか? 高速道路会社の情報によると、高速道路での逆走が発生しやすい場所として以下の3つの場所が挙げられています。 それは(1)インターチェンジ・料金所付近(2)料金所出口(3)サービスエリア・パーキングエリア付近です。

たとえば(1)については、目的の出口を通り過ぎたために入口へ逆走したり、本線上でUターンをしたり、料金所を通過後に出口車線へ侵入したり…といったものです。 (2)と(3)も「通り過ぎた」「間違えた」を理由に逆走が発生しています。 逆走車による事故に巻き込まれないために、自分も逆走をしないために、とくに(1)から(3)の付近では注意が必要ですね。


「逆走をした人の年齢層」には納得。「逆走の動機」には驚きの「〇〇」が!


高速道路での逆走については色々と細かいデータが公表されているので、その他についてもいくつかご紹介しておきましょう。


2023年に発生した高速道路での逆走の件数は224件でした。 「逆走をした人の年齢」に関するデータを見てみると、全体の約7割(68%)が一般的に「高齢者」と見なされる65歳以上の人だったことが明らかになっています。 また、224件の逆走のうち39件が「逆走事故」となっており、事故を起こした人の約6割(62%)が65歳以上となっています。


さらに、どちらの場合でも最も割合が高いのが、75歳以上のいわゆる「後期高齢者」です。 年齢を重ねるとどうしても判断能力が落ちてしまうようですから、このような結果になるのは仕方がないのかもしれません。 逆走や逆走事故を防ぐには、本人だけでなく家族などの周囲の人たちも気を付ける必要がありそうです。


さて、次のデータは「逆走の動機」です。 今回、逆走に関する資料を見ていて最も衝撃的だったのがこのデータです。 1年間に約200件発生する高速道路での逆走のうち、約4割が「過失」によるもので、約3割が「認識なし」だそうです。 高齢ドライバーや認知症の方が増えている昨今の状況を鑑みると、これらはまだ「仕方がない」で済ませることもできそうですが、約2割には驚きを隠せません。 その約2割とは、なんと「故意」です。


先に挙げた「逆走の発生場所」で分かるのですが、「出口を通り過ぎたから」といってインターチェンジの入口に向かって逆走したり、本線上でUターンをしたりという考えられない運転をする人がいるのです。 そういえば、出口を通り過ぎてバックで戻って来るクルマを見たことがあります。 なぜあんなことができるのでしょうか? 今年5月に新名神高速道路で逆走事故がありましたが、事故後も走行を続けていたことから、こちらもおそらく故意でしょう。 どんなことがあっても、故意での逆走だけはしないようにしましょう。


高速道路を走行中に逆走車を見つけたら?自分が逆走してしまったら?


高速道路を走行中に逆走車を見つけたとき、いったいどうすれば良いのでしょうか? 高速道路で逆走車を発見した場合、まずは通報が必要です。 「110番」もしくは「#9910」に、同乗者から通報してもらいましょう。 同乗者がいない場合は、道路脇の非常電話から通報するか料金所の係員に知らせましょう。 なお、「#9910」は高速道路や国道などでのトラブル発見時の緊急通報を目的とした「道路緊急ダイヤル(24時間受付・無料)」です。


電光掲示板やハイウェイラジオなどで逆走車の情報を見聞きした場合は、「速度を落とす」「車間距離をとる」などして走行を続けます。 その場合、左側の「走行車線」を走行するようにします。 逆走車は自車から見て右側の「追い越し車線」を走行してくる可能性が高いからです。 近くにサービスエリアやパーキングエリアがある場合は、そこで逆走車をやり過ごすのが良いでしょう。 もしも、前方に逆走車見えた場合は…決して慌てることなく、衝突しないように注意しながら走行しましょう(もはやそうするしかありません)。


次に、自分が高速道路で逆走してしまった場合です。 逆走していることに気付いたら、できるだけ早く、安全な場所にクルマを停めましょう。 停車時は必ずハザードランプを点滅させてください。 停車後は周囲を確認してからクルマから離れ、ガードレールの外側などへ移動します(クルマの向きはそのままで!)。 身の安全を確保したら、落ち着いて「110番」もしくは「#9910」に通報しましょう。


逆走に気付いたからといって、急ブレーキで停止したり、方向転換したりするのは危険なので絶対にNGです。 なお、中央分離帯が自車の左側にあったり、標識が裏側になったり、路面の矢印が逆方向を向いたりしているときは、逆走の可能性が高くなります。 走行中に違和感や不安があるような場合、まずは周囲の状況をよく見ることが大切です。


目的の出口を通り過ぎてしまった場合は、余計なことは考えずに次の出口まで走行しましょう。 次の出口では必ず「一般レーン」に入って、料金所の係員に出口を間違えたことを伝えてください。 目的地に戻るための案内をしてもらえますし、「行き過ぎたために超過料金がかかる」といったこともないそうです。


高速道路を利用する際は「逆走するのは高齢者」「故意での逆走など絶対しない」といった具合に他人ごとにせず、十分に気を付けながら運転しましょう。 もちろん、私も慎重に、安全運転を心掛けます。それでは皆さま、よい夏休みをお過ごしください!


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