ついに廃止が決定!ガソリンの暫定税率。いくら安くなる?軽油はどうなる?
- Kendall Lab
- 11月21日
- 読了時間: 5分
皆さんこんにちは!「ケンドルラボ」担当・ケン太です。 初めてクルマを手に入れてから、ほぼ毎週末ドライブに出かけていた私ですが、ここ数年は少し控え目にしていました。 その理由はもちろん、ガソリン価格の高騰です。 原油価格や流通コストの上昇、原油の需要増、円安などなど、複合的な要因でガソリン価格の高騰が続いています。
そのような状況で、物価高対策の一つとしてガソリンの暫定税率の廃止が決定。 11月13日からガソリン補助金が増額(10円→15円)されたことで、ガソリン価格は下がり始めています。 この調子でガソリン価格がどんどん下がれば嬉しいのですが。 ちょうど良い機会ですので、今回のケンドルラボではガソリンに関連する税金について勉強してみます。

廃止されるガソリンの暫定税率って何?ガソリンにはどんな税金がある?
「ガソリン、高くなったなぁ」数えきれないくらい口にしたこのセリフ。 ご存じの方も多いと思いますが、ガソリン価格のおよそ4割が税金です。 ガソリンに課せられる税金の大半は「ガソリン税」で、そのほかにも「石油石炭税」「温暖化対策税(環境税)」「消費税」といった税金が課せられています。
ガソリン税は「揮発油税(国税)」「地方揮発油税(地方譲与税)」「暫定税率」の3つから成り立っており、ガソリン1リットルにつき53.8円のガソリン税が課せられています。 53.8円のガソリン税のうち、28.7円(揮発油税24.3円+地方揮発油税4.4円)が本来のガソリン税(本則税率)で、残りの25.1円が年内に廃止される暫定税率です。 なお、暫定税率の24.3円は揮発油税、0.8円は地方揮発油税に上乗せされるという形をとっています。
ガソリン税はもともと、道路の整備・維持に必要となる財源を確保するために、75年前の1950年に設けられた税金です。 1954年4月に道路特定財源となりましたが、20年後の1974年、経済成長に伴うインフラ需要の急増、オイルショックによる財政悪化などにより、道路整備・維持の財源が不足します。 そこで導入されたのが暫定税率です。 暫定税率は当初「2年間の臨時的な道路特定財源」として導入されたのですが、気が付けば恒久税率となり、2009年には一般財源化され、現在まで生き延びてきたのです。
導入から約50年という長い年月を経て、ようやく廃止されるガソリン税の暫定税率。 暫定税率が廃止されると、単純計算でガソリン価格は1リットルあたり25.1円も下がることになるので、家計への負担はもちろん、心理的な負担の軽減にもつながるでしょう。 ※じつはOECD加盟国35か国中、日本はアメリカに次ぐ「ガソリンが安い国」なのだそう…。
安くなるのはガソリンだけ?軽油の価格は?もちろん軽油価格も下がります
ガソリンの暫定税率が廃止されると、ガソリン価格が下がります。 では、軽油はどうなるのでしょうか? 自民党、立憲民主党、日本維新の会、国民民主党、公明党、日本共産党による暫定税率の廃止についての合意文書を見てみますと、以下のように記載されています。
「物価高への対応として、ガソリン及び軽油の価格を引き下げるため、ガソリンに対する補助金を25.1円/ℓまで、軽油に対する補助金を17.1円/ℓまで、令和7年11月13日から2週間ごとに5円ずつ引き上げる。 これにより、ガソリンは12月11日に、軽油は11月27日に補助金の金額をいわゆる暫定税率(当分の間税率)の廃止と同水準とする」
「軽油引取税の暫定税率については(中略)地方団体の財政年度が開始するタイミングである令和8年4月1日に廃止する」
これを見るとわかる通り、軽油にもガソリンと同じように「軽油引取税」という税金が課せられています。 また「軽油に関する補助金を17.1円/ℓまで」とあるので、これが軽油の暫定税率であることもわかります。 なお、軽油引取税は32.1円/ℓですから、本則税率は15円/ℓになります。 軽油の場合、暫定税率のほうが本則税率より高いのですね。
廃止の時期についてはガソリン税とは異なり、来年の4月1日です。 軽油の価格も下がるということですから、ディーゼル車のオーナーさんも安心ですね。 トラックドライバーさんや運送会社さんのレベルになると、大きな負担軽減になるのは間違いないでしょう。
暫定税率が廃止されても問題は山積。代わりに新たな税金が課される?
長期にわたって問題になっていたガソリンの暫定税率の問題が解決に向かっていますが、ガソリンに関係する税金には、ほかにも色々とスッキリしない問題が残っています。 そのうちのひとつが「二重課税」の問題です。 当然ですが、ガソリン代を支払う際には、消費税を一緒に支払うことになります。 ガソリン税や石油石炭税などが含まれたガソリン代に消費税が課される形になるため「二重課税にあたるのでは?」という声があります。
ガソリンの暫定税率が廃止されることで、税収については1兆円程度の減収が見込まれています。 さらに、今後はハイブリッド車や電動車(EV)の比率が高まっていくため、ガソリンや軽油からの税収が減収になるのは確実です。 人口減少によってクルマの台数が減ることで、自動車税や重量税などの税収も減収するでしょう。 そこで国は、自動車の走行距離に応じて課税する「走行距離税」の導入を検討しているといった噂も…。
自動車関連の税金については、もっと注意深く見守っていく必要がありそうですね。

