top of page

EXPO2025大阪・関西万博の会場で見た「未来社会の乗り物」あれこれ

  • 執筆者の写真: Kendall Lab
    Kendall Lab
  • 4 時間前
  • 読了時間: 6分

皆さんこんにちは!「ケンドルラボ」担当・ケン太です。

最終的な総入場者数が2,900万人を超えた「EXPO2025大阪・関西万博」。

閉幕からすでに2週間以上が経過した現在でも、 SNSや動画共有サイトは万博関連(とくにミャクミャクの話題)の投稿を目にします。

そこで、世の中の「万博熱」が冷めきってしまわないうちに、ケンドルラボでも万博に関連する記事を投稿することにしました。

もちろん、テーマは「乗り物」です。


というわけで、今回のケンドルラボは「EXPO2025大阪・関西万博の会場で見た『未来社会の乗り物』あれこれ」です。

私が会場を訪れたのは、連日大盛況となった会期の最終盤(9月~10月)でしたので、残念ながら一つひとつの乗り物を「じっくり見る」「体験する」といったことはかなわず…。

この目で見た乗り物たちの姿を思い浮かべつつ、会場では得られなかった情報を調べ、学びながらお話を進めていこうと思います。


ree


静かで速い!大阪・関西万博の大きな目玉の一つになった「空飛ぶクルマ」


ユニークなパビリオンやイベントが話題になった大阪・関西万博のなかでも、とくに大きな注目を集めていたのが「空飛ぶクルマ」でした。

万博会場の北西部「モビリティエクスペリエンス」と呼ばれる離着陸エリアには、連日多くの人が訪れていました。


大きな目玉となった空飛ぶクルマには、異なる3つの機体がありました。

開幕当初から7月中旬までの機体は、丸紅株式会社が運航した「HEXA」。

続いて7月末から8月下旬までの機体は、株式会社SkyDriveが運航した「SD-05」。

9月下旬から閉幕までの機体は、ANAホールディングス株式会社とJoby Aviation Incが運航した「Joby S4」。そのほかに、展示のみの機体もあったようですね。


実際に空を飛んでいる姿を見ることができたのは、3番目に挙げた「Jody S4」です。

全日空機と同じ濃い青(トリトンブルー)と薄い青(モヒカンブルー)の塗装が施されたJoby S4を見たのは、西ゲートで入場待ちをしていたときでした。

空飛ぶクルマのフライトがある旨の場内アナウンスからしばらく経ち、西の空を見上げると、軽快に空を舞う小さな機体が見えました。

入場待ちで座っていた人たちが一斉に立ち上がり、その姿を見つめていたのですが、どこからともなく聞こえてくるのが「クルマじゃないよね(笑)」の声。


大阪・関西万博の公式サイトには「クルマのように人々の生活に欠かせない存在となることを目指して『空飛ぶクルマ』と呼ばれています」とあります。

そう、あくまでも「クルマのような存在(を目指す)」ということですので、温かい目で見守っていきましょう。


私が見ることができた空飛ぶクルマJoby S4は、パイロットを含む5人が搭乗できる「eVTOL(電動垂直離着陸機)」です。

電動モーター駆動の6つのプロペラを持ち、最高速度320km/h、航続距離160kmという性能です。

万博会場の上空300mまでの高さで、220km/hまで出していたようですが、思った以上に速いことに驚きました。

さらに驚いたのはその「静かさ」です。

ヘリコプターや飛行機のような轟音はなく、鳥のように静かに飛んでいくのです。

じつに不思議な乗り物でした。

計画どおり順調に進めば、2027年度にも「空飛ぶタクシー」が実現するとのこと。

その日が来るのを楽しみに待っておきます。


導入実績のある「UNI-ONE」と2050年のコンセプトモデル「コルレオ」


次に紹介する未来社会の乗り物は、すでに企業や施設での導入実績のある乗り物と、まだまだ先の未来を見据えた乗り物。

どちらも世界的な日本企業の手によるものでした。


ホンダが大阪・関西万博に出展した乗り物が、着座型パーソナルモビリティ「UNI-ONE(ユニワン)」の新型です。

UNI-ONEとは「ホンダのロボティクス研究で培った、座ったまま体重移動するだけで移動でき、両手が自由に使える着座型のパーソナルモビリティです(ホンダのプレスリリースから)」パッと見は、餅つきで使う「臼」。

どっしりとした姿で、安定感があります。

ハンドルやアクセル、レバーなどはありません。

座って、体を傾けるだけで、行きたい方向へゆっくり、静かに進んでいきます。

不思議です。

スゴイです。


子どもからお年寄り、身体が不自由な方など、みんなが気軽に移動できる未来社会の乗り物として広く普及しそうなUNI-ONE。

パビリオンの一つ「ロボット&モビリティステーション」で展示され、「フューチャーライフビレッジ」では試乗体験も実施していました。

試乗してみたかったのですが、どうしてもタイミングが合わず…残念です。

※2025年10月現在、試乗体験ができる施設があるので、ホームページを確認してみましょう。


2050年のモビリティをイメージしたコンセプトモデルとして、パビリオン「未来の都市」に出展されていたのが川崎重工業(カワサキ)の「CORLEO(コルレオ)」です。

この記事で使用している画像がCORLEOなのですが、何となくライオンのようなスタイルの四足歩行ロボットです。

見た目のインパクトはなかなかのものでした。

カワサキのホームページに、CORLEOが野山を駆け回るCG映像があるので要チェックです。


カワサキの解説によると、CORLEOは150ccの発電用水素エンジンで電気を生み出し、4本の足に搭載されたパワーユニットで駆動するのだそうです。

バイクのようにアクセルやブレーキが付いているわけではなく、操作は乗り手(ライダー)の重心移動で行います。

ちなみに、バイクならメーターがある位置に、水素残量や重心位置なども表示できるナビゲーションシステムが搭載されます。

車輪ではなく足、タイヤではなく「ひづめ」を使って走行するという点がユニークですね。

万博会場での反響によっては、本格的な開発も視野に入ってくるそうですが果たして。


自動運転のほか走行中の給電も!万博会場の内外で活躍した「EVバス」


大阪・関西万博の会場を訪れる入場者の輸送や、会場内を移動する入場者の輸送で活躍したのが「EVバス」です。

バスやタクシーが乗り入れる西ゲート前のターミナルでは、国内メーカー、海外メーカーのさまざまなEVバスの姿を見ることができました。


70人前後を定員とする大型EVバスもありますが、「あのサイズのバスが電気で走るってスゴイな」と今更ながらに実感しました。

主要駅などから会場までをシャトルバスとして活躍していたバス会社のEVバスは、万博閉幕後は通常の路線バスとして活躍しているようです。

元シャトルバスのEVバスに乗れば、万博の余韻を楽しめそうな気がします。


さて、万博会場では外周路を走行する、かわいらしい小型バスの姿をよく見かけました。

その小型バスの正体は「万博会場内・外周バス『e-Mover(イームーバー)』」というEVバスです。

約100台にものぼるe-Moverには「予約不要の車両」と「当日予約制の車両」が存在。

予約不要の車両は通常のEVバスに加え、走行中給電が可能な自動給電バスの2タイプ。

当日予約制の車両は自動運転バス(レベル4)となっていました。


自動給電バスは、道路下の地中に埋め込まれた給電設備から、ワイヤレスで給電しながら走行するというまさに「未来社会の乗り物」。

大阪・関西万博での自動給電バスの走行は、日本で初めての本格的な実証実験だったそうです。

自動運転バスは、車体に取り付けられたカメラやセンサーで周囲の状況を把握すると同時に、衛星を使って自車位置を特定。

予め定められた走行ルートと自車位置を照らし合わせながら、自動運転で走行するというもの。

こちらは2019年12月から実証実験を重ねていたそうです。

これからのバスの大きな進化に注目しましょう。


万博に出展された「未来社会の乗り物」が実用化され、私たちの未来の暮らしをもっと楽しく、もっと便利にしてくれる日は、そう遠い未来ではなさそうです。

大いに期待しておきましょう。

bottom of page