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2025年4月、車検の受検可能期間が「1か月前」から「2か月前」へと拡大

執筆者の写真: Kendall LabKendall Lab

皆さんこんにちは!「ケンドルラボ」担当・ケン太です。

取引先の方と健康診断の話題で盛り上がったのですが、私は幼い頃から「血液検査」が大の苦手です。

両腕とも血管が見つかりにくく、何度も何度も針を刺すことになるからです。

昨年の健診でも非常につらい目に遭いましたので、今年は一発で仕留めてもらえますように…。


私のような一般的な会社員の場合、1年ごとに健康診断がありますが、一般的な自家用車にも2年ごとに必須の検査がありますね。皆さんご存知の「車検」です。

今年4月に「車検の受検可能期間」が拡大されますので、今回のケンドルラボで取り上げてみます。




「車検の受検可能期間が拡大」ってどういうこと?何故そうなったの?


いわゆる「車検」とは、使用しているクルマが道路運送車両法で定められた保安基準を満たしているかどうかを定期的に調べる検査(継続検査)のことをいいます。

一般的な自家用車の場合ですと、新車登録から3年後に初めての車検を受け、以降は2年ごとに車検を受ける必要があります。


通常、車検は「有効期間満了日の1か月前から満了日までの間」に受検します。

それは「車検証の有効期限前1か月以内に受検すると、新車検証の有効期限を旧車検証の有効期限から2年間とすることができる」とされているからです(自家用車の2回目以降の例)。


意外と知られていないようですが、じつは車検の有効期間内であれば「車検はいつ受けても良い」のです。しかし「有効期間満了日の1か月前」よりも前に車検を受けると、受検日から有効期間が始まるため、次の車検満了日が前倒しになります。

したがって、受検が早ければ早いほど「損」をすることになるのです。


そんな中で、2025年4月に道路運送車両法が改正され、車検の受検可能期間(=損をしない期間)が拡大されることになりました。

これまでの「車検証の有効期限前1か月以内に受検すると、新車検証の有効期限を旧車検証の有効期限から2年間とすることができる」というルールは、4月以降「車検証の有効期限前2か月以内に受検すると、新車検証の有効期限を旧車検証の有効期限から2年間とすることができる」となります。


国土交通省によると、今回の改正は「車検需要が年度末に集中しているため、この時期は自動車ユーザーが整備や車検の予約が取りづらく、自動車整備士も残業・休日出勤に追われるという問題が生じています」という背景があるからだそうです。



2024年10月から車検時の検査項目に追加された「OBD検査」とは?


「車検」つながりで、もう一つ車検に関する話題に触れてみます。


クルマに装備されている「自動ブレーキ」や「車線維持支援」といった電子制御装置の普及が進んでいます。クルマはますます安全、便利な乗り物へと進化していますが、もしもそれらが故障して必要なときに作動しなかったり、誤作動を起こしてしまったりすると、大きな事故につながる恐れがあります。

そのような事態の発生を防ぐには、電子制御装置を常に正常に機能させることが必要であり、定期的な点検が欠かせません。


そこで、2024年10月から(輸入車は2025年10月から)車検時の検査項目に「OBD検査」が追加(義務化)されました。OBD検査の「OBD」とは、「On-board diagnostics」の略で、クルマに搭載されている「車載式故障診断装置」のこと。

最近のクルマは、さまざまな電子制御装置の状態を自己診断し、その結果を記録しています。

その記録を診断機(検査用スキャンツール)で読み取って、故障の有無を確認するのがOBD検査です。

これを読むだけなら簡単そうですが、実際には自動車技術総合機構のサーバーと通信し、保安基準に適合しているか否かの判定を行うという高度な検査となっています。


OBD検査の対象となるクルマは、2021年10月(輸入車は2022年10月)以降にフルモデルチェンジされたクルマで、車検証の備考欄に「OBD検査対象」という記載があります。

ただし「OBD検査対象」の記載があっても、対象とならない場合もあります。

国土交通省によると「クルマの型式指定の日から2年かつ初回登録から10か月が経過するまでの間は、OBD検査の対象となりません」ということだそうですが、少々ややこしいので整備工場やディーラーに確認するほうが確実ですね。


次に、OBD検査ではどのような電子制御装置を検査するのでしょうか?

こちらも国土交通省の資料で確認したところ、「制動装置(ブレーキ)」「かじ取装置(高度運転者支援ステアリングシステム)」「自動運行装置」「車両接近通報装置(AVAS)」「排出ガス発散防止装置」とあります(国土交通省のホームページなどに詳細が掲載されていますので、興味のある方はそちらでご確認ください)。

OBD検査を受けた結果「不合格」となった場合は、当然ながら車検に通りません。

整備工場やディーラーでの修理が必要になります。


なお、すでに2021年10月以降「法定12か月点検」の検査項目として「OBD点検」が義務化されています。

定期的な点検を受けておけば、いざというときも安心ですので、積極的に点検を受けておくようにしましょう。


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