エンジンで発電しモーターで走行!?ハイブリッドの種類と違いについて(その2)
- Kendall Lab
- 2024年10月30日
- 読了時間: 5分
皆さんこんにちは!「ケンドルラボ」担当・ケン太です。
つい先日、6人で移動する機会があり、ミニバンのレンタカーを利用しました。
その車両には最新のハイブリッドシステムが搭載されていて、想像以上のスムーズな走りと高い静粛性に驚かされました。市街地ではおもにモーターで走っていたようで、燃費も言うことなし。
新車を購入する方の多くが、ハイブリッドのモデル・グレードを選択するというのも大いに納得できました。
今回のケンドルラボは、以前にも扱った「ハイブリッドの種類と違い」の続編です。
前回は「マイルドハイブリッド」と「ストロングハイブリッド」の特長と違いをご紹介しましたが、今回はハイブリッドの3つの方式について見ていきましょう。

ハイブリッドの3つの方式は「パラレル」「シリーズ」「スプリット」
ハイブリッドの方式の1つ目は「パラレル方式」です。
走行はエンジンが受け持ち、モーターは発進や加速の際のサポート役を担います。
他の方式よりもシンプルな仕組みのため、軽量かつ低コストというメリットがあります。
モーターの出力が小さく、基本的にはモーターだけで走行できないため、燃費向上はそれほど期待できません。
エンジンならではのフィーリングを楽しみたい方には、パラレル方式のハイブリッドがベストな選択肢かもしれません。なお、パラレル方式のハイブリッドが「マイルドハイブリッド」にあたります。
2つ目の「シリーズ方式」はパラレル方式とは逆に、モーターだけで走るハイブリッドです。
電気自動車(BEV)との決定的な違いは、エンジンを搭載しているという点です。
しかし、エンジンは完全に発電用。
エンジンで発電した電気をバッテリーに蓄え、モーターだけで走行するのです。
電気自動車(BEV)は充電に必要な設備や時間が課題ですが、シリーズ方式のハイブリッド車ならガソリン車と同様の給油でOK。
「モーターで走る」と聞けばかなりの省燃費を期待しますが、高速道路の走行時やエアコンの使用時はモーターの電力消費が大きく、エンジンが常に発電しなければならないという弱点もあります。
3つ目の「スプリット方式(シリーズ・パラレル方式とも)」は、エンジンとモーターをそれぞれの得意な領域で使い分け、燃費性能と走行性能を両立させる方式です。
具体的には、市街地や渋滞時はモーターで走行し、高速道路などではエンジンで走行するといったものですが、エンジンとモーターの両方を同時に使ったり、モーターで走行しながらエンジンで発電したり…とにかく「効率が良い」というのが特長です。
ただし、システムが複雑で重量が増えたり、スペースをとったりするというデメリットもあります。
ハイブリッドの3つの方式。どのメーカーがどの方式を採用している?
パラレル方式のハイブリッドを積極的に採用しているのが「小さなクルマ、大きな未来」をスローガンに掲げ、人気のコンパクトカーを生み出しているスズキです。
スズキのホームページには「減速時のエネルギーを利用して発電し、加速時には、その電力を活かしてエンジンをアシストすることでさらなる燃費の向上を実現するハイブリッドシステムです」との記載があります。
ワゴンR、スペーシア、ハスラー、アルト、クロスビー、スイフト、
ソリオ、フロンクス…ほとんどの車種にパラレル方式のハイブリッドの設定がありますね。
エンジンで発電し、モーターで走るシリーズ方式の代表格といえば、日産の「e-POWER」です。
日産のホームページを確認してみると「乗ればわかる電気の走りの心地よさ」「新感覚のドライブ体験をあなたに」とあり、気持ちの良い加速と驚くほどの静粛性をメインにアピールしています。
マツダにもシリーズ方式のハイブリッドがあり、ロータリーエンジンを発電機として搭載する「MX-30」が登場しました。
「ハイブリッド=燃費が良い」というイメージがあるのに、日産もマツダも燃費に触れていないのが気になります。
スプリット方式(シリーズ・パラレル方式)といえば、ハイブリッド車の時代を牽引する日本の2大メーカー、トヨタとホンダです。
トヨタは「HEV」、ホンダは「e:HEV」という名称で市場に送り出しています。
どちらも発電用と駆動・回生用のモーターを備えた「2モーターハイブリッド」という共通項はありますが、それぞれが持つ独自の技術や狙っている味付けなどにより、さまざまな違いがあるハズです。
トヨタの「HEV」は燃費性能+快適性能を重視、ホンダの「e:HEV」は燃費性能+走行性能を重視しているような印象があります。
機会があれば乗り比べてみたいですが、私に違いがわかるのか心配です。
モーターで走行するハイブリッド車にも、オイル交換はもちろん必要です!
パラレル式(マイルドハイブリッド)のハイブリッド車はエンジンで走行しますので、従来のクルマと同じようにオイル交換が必要であることは容易にイメージできると思います。
では、100%モーターで走るシリーズ方式のハイブリッド車や、モーターでも走行できるスプリット方式のハイブリッド車のオイル交換はどうすれば良いのでしょうか?
「エンジンをあまり使わないから、オイル交換はしなくても大丈夫」ではありません。
「エンジンをあまり使わない」ことでエンジンの熱が上がらず、エンジン内部の水分が蒸発しなくなり、エンジンオイルに水分が混ざることがあります。
そうなると、エンジンオイルが乳化(白く濁って劣化)したり、エンジン内部にサビが発生したりすることがあります。
それらを防ぐためにも、ハイブリッド車にも定期的なオイル交換が必要です。
一般的に、日本車のハイブリッド用エンジンオイルには「0W20」以下の低粘度オイルが使用されています。ケンドルのエンジンオイルにも「GT-1 MAX Motor Oil with LiquiTek(SAE 0W16)」といった低粘度タイプもラインナップされていますので一度お試しください。
もちろん、この0W16は超・低粘度な「0W8」や「0W12」が指定粘度となっている
ハイブリッド車にもご使用いただけますが、来年4月以降、米国ケンドルでも「0W8」と「0W12」が新たにラインナップされ「API SQ /ILSAC GF-7B」という新規格で登場してくると思われますのでご期待ください。