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エンジンオイルの価格はこれからどうなる? ~米国Kendallの最新レポートから見えてきたこと~

  • 執筆者の写真: Kendall Lab
    Kendall Lab
  • 14 時間前
  • 読了時間: 7分

皆さんこんにちは!「ケンドルラボ」担当・ケン太です。 いつもケンドルラボをご覧いただき、誠にありがとうございます。 おかげさまで、ケンドルラボは今回で第100回を迎えることができました。


ここまで続けてこられたのも、いつもご覧いただいている皆さまのおかげです。心より御礼申し上げます。

さて、記念すべき第100回目のケンドルラボは、最近とても多くいただくご質問「エンジンオイルの価格は今後どうなる?」への回答という形でお送りします。




エンジンオイルは安くなる?まだまだ上がる?結論からお伝えすると…


ここ最近「原油価格は少し落ち着いてきたと聞くのに、エンジンオイルはなかなか安くならないね」「この先、まだ価格は上がるの?」というお話をいただくことが増えています。


そこで「世界の潤滑油市場で何が起きているのか?」そして「これからエンジンオイルの価格がどうなっていくのか?」を、できるだけ分かりやすくお話ししようと思っていたら… ちょうど良いタイミングで、米国Kendallから「現在の潤滑油市場と今後の見通し」に関する最新のレポートが届きました。


米国 Kendallの最新レポートによると「少なくとも2026年末までは厳しい市場環境が続く」との見方が示されています。 原材料の供給状況によっては、年内にさらなる価格改定が実施される可能性があります。


その一方で「原材料の供給体制が徐々に改善すれば、その後は需給バランスも少しずつ落ち着いていく」という見方も出ています。

もちろん、世界情勢や為替などの不確定要素が多いため「いつ価格が下がるのか?」「どのくらい下がるのか?」を今の段階で断言することはできません。


つまり、少なくとも今年いっぱいは厳しい状況が続くものの、その先には改善への期待も見え始めている。

これが現在の市場の見方です。


原油価格は下がっているのに、なぜエンジンオイルは安くならないの?


多くの方が疑問に感じておられるのが「(数か月前に比べて)原油価格が下がってきたのなら、エンジンオイルも安くなるのでは?」ということではないでしょうか。 エンジンオイルの原材料をたどっていくと、最終的に「原油」につながるのはたしかなことです。


しかしながら、エンジンオイルは原油のほかに、高性能なベースオイルや各種添加剤など、さまざまな原材料を組み合わせて作られています。 エンジンオイルの原材料ひとつひとつの価格が、原油価格とまったく同じ動きをするわけではありません。


たとえ原油価格が下がったとしても、高性能ベースオイルや添加剤の価格が上がったり、供給が不足したりする状況であれば、エンジンオイルの製造コストが下がることはありません。 現在も合成系ベースオイルや一部の添加剤は、世界的な供給不足の状態が続いています。 つまり「原油価格だけを見ても、エンジンオイルの価格は分からない」のです。


想像以上に進んでいるアメリカの物価高騰。その影響はエンジンオイルにも


皆さんは「アメリカの物価」が現在、どのくらい高くなっているのかご存知でしょうか? 地域や店舗によって違いはありますが、たとえばラーメン1杯が約18~25ドル(約2,900~4,000円)、映画を観に行ってポップコーンと飲み物を買うだけで、なんと約20~25ドル(約3,200円~4,000円)もかかるのです。もちろん、これは1人分です。


このくらいの価格は決して珍しくはありません。 「ラーメン1杯1,000円の壁」といわれている日本において「ラーメン1杯で4,000円」と聞くと、驚かれる方も多いと思います。でも、これが今のアメリカなのです。


さまざまな製品の原材料だけでなく、工場で働く人の人件費、電気代、燃料費、容器代、輸送費、倉庫費用など、製品を作るために必要なあらゆるコストが上昇しています。 エンジンオイルだけが、アメリカの物価上昇と無関係でいられるわけもありません。 つまり、現在のKendall製品の価格には、アメリカ全体の物価上昇が大きく影響しているのです。


アメリカの物価高騰に加え、日本では「円安」が重なる苦しい状況に


当社が取り扱うKendall製品は、アメリカから「米ドル建て」で仕入れています。

たとえば1ドル110円なら、100ドルの商品は単純計算で11,000円です。 ところが、1ドル=160円なら、同じ商品でも16,000円になります。 アメリカでの販売価格がまったく変わらなくても、為替だけで日本円に換算した仕入価格は大きく上昇します。


実際には、アメリカ側の製品価格そのものも上がっています。 そこに円安が重なるため、日本での輸入コストはさらに押し上げられることになります。 つまり、現在は「アメリカでの物価上昇」と「日本の超・円安」が同時に起きているという状況なのです。


エンジンオイルの価格上昇は、Kendallなど海外製オイルだけの話ではない


現在は、海外の物価高騰+円安の影響によって、ケンドルのような海外製エンジンオイルの価格上昇が目立っている状況です。 「ならば、海外製エンジンオイルではなく日本製エンジンオイルを選べばよいのでは?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。


しかし、高性能エンジンオイルに欠かせない合成系ベースオイルや添加剤は、日本の潤滑油メーカーも海外から調達し、日本でブレンドしています。 そのため、原材料の供給不足や価格上昇は、海外製エンジンオイルだけの問題ではありません。 これからは「海外製エンジンオイルだけが高い」ではなく「高性能エンジンオイル全体の価格水準が変わってきている」と考える方がよいと思います。


今年の秋口には、日本国内でも「合成系ベースオイルが大幅に値上がりする」と聞いていますので、完成品であるエンジンオイルもまた大きく値上がりするのは必至です。


価格が高い今だからこそ、エンジンオイルの「使い方」も考えてみてください


エンジンオイルの価格が高くなると、どうしても「1回あたりの交換費用」に目が向きます。

しかし、本当に大切なのは、「オイル1リットルあたりの価格」だけではありません。 そのオイルが、どれだけあなたの愛車のエンジンをキレイな状態に保ち、摩耗やスラッジを抑え、本来の性能を長く維持できるのか?そこまでを含めて考える必要があります。


安価なオイルを短いスパンで何度も交換する方法もあれば、高性能なオイルを選び、車両の状態や使用環境に合わせて、適切な交換サイクルで管理する方法もあります。


愛車のエンジンを守るカギは「交換回数」ではありません。 大切なのは「使用するオイルの性能」です。Kendallは、長く使用しても性能を維持し、エンジン内部をキレイに保つことに重点を置いている「長持ちエンジンオイル」です。


エンジンオイルの価格が高騰している今だからこそ、目先の金額だけでなく、エンジンオイルの性能や交換サイクルを含めた「トータルコスト」で考えていただきたいと思います。


オイルにこだわる、クルマを愛する皆さまへ。ケン太が最後にお伝えしたいこと


エンジンオイルの価格は、確かに以前より高くなりました。 そして、米国Kendallの最新レポートを見る限り、少なくとも年内は、もうしばらく厳しい市場環境が続くと考えられます。 その背景には、先ほども触れた通り、アメリカの物価上昇に加え、円安、ベースオイルや添加剤の供給不足、そして混迷を極める世界情勢があります。


つまり「Kendallだけが特別に高くなっている」というわけではありません。 世界全体のコスト構造そのものが、大きく変わっているのです。 私たちがお伝えしたいのは「価格について納得してください」ということではありません。 なぜ今、このような価格帯になってきているのか?世界の潤滑油市場で何が起きているのか? その背景を少しでもご理解いただけますと幸いです。


そして、ここで皆さんにお知らせがあります。


2021年3月から約5年半にわたってお届けしてきた「ケンドルラボ」ですが、今回の第100回をもちまして、一旦終了とさせていただくことになりました。 この5年半、本当にたくさんの方々にお目通しいただきましたこと、心より感謝申し上げます。


「記事を読んでKendallを選びました」「オイルのことがよくわかるようになりました」そんなお声をいただくたびに、とても励みになりました。 これまでケンドルラボでは、エンジンオイルやATFはもちろん、規格のお話やメンテナンスの考え方など、少しでも皆さんのお役に立てる情報をお届けしたいという思いで書き続けてきました。


そして、これから新しい企画がスタートします。 私の上司であり、Kendall日本のテクニカルアドバイザーでもある「Dr.Creek(ドクター・クリーク)」による新コラム「クリークの独り言」です。 彼が語りたいテーマを、語りたいときに、語りたいだけ発信するという、何とも自由で、ちょっとわがままな企画ですが(笑)。


きっと皆さんにも「なるほど!」と思っていただける話題や、現場で役立つ情報をたくさん届けてくれると思います。 潤滑油の世界を長年見続けてきたプロによる新たな企画にどうぞご期待ください。 私も一人の読者として、とても楽しみにしています。


それでは皆さま、本当に長い間ありがとうございました!! Byケン太

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